「あのダメ課長は何にも管理できていない」
「部下に偉そうな管理職がいてむかつく」
工場の現場で働いていると、普段何をしているのかよくわからない無能な管理職に怒りを感じてしまいますよね。
自分たちが上司になったときは、絶対に無能な管理職と周りから言われたくないものです。
出世したくない社員が多い昨今ですが、私のような平成生まれのゆとり社員が会社の管理職になるのも珍しくない時代になりました。
人間関係を重視するゆとり社員にとって、周りから嫌われやすい課長というポジションに悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、工場で嫌われるダメな上司の特徴について、現役ゆとり課長が自分への戒めとして紹介していきます。
嫌われる管理職の特徴を抑えておけば、自分が管理職になった時のあるべき姿が見えてくるでしょう。
管理職の役割
まずは、管理職の役割について簡単におさらいです。
管理職の役割とは、一般社員の業務やスキルを管理して、組織の業績を向上させる役割があります。
工場で課長以上のクラスになると、次のような役割を任せられますよ。
- 部下の育成や指導
- 業務評価
- 労務管理
- チームや課を超えた生産性の改善
今までプレイヤーとしての個人成果で評価されるのに対し、管理職は部門やチーム全体の成果が求められるので、より会社経営側の要望や方針に沿った業務遂行が求められるでしょう。
工場で嫌われるダメな上司の特徴
会社経営側と現場で働く従業員の間に挟まれる課長や次長などの中間管理職は、両者の板挟みになるポジションのため、昔から嫌われやすい役職と言われています。
しかし、管理職は全員から嫌われるという訳でなく、その人を見る目線によっても好き嫌いの評価は分かれがちです。
例えば、現場作業者から見れば「何でも相談に乗ってくれる良い課長」と思われても、経営陣からすると「現場の意見だけ鵜呑みにして結果を出さないダメ課長」と評価されてしまう場合がありますね。
最悪なのが、上からも下からも嫌われる管理職です。
ここからは、工場で嫌われる管理職に共通する特徴を10個紹介していきます。
工場で嫌われる管理職の特徴を知って、自分に当てはまらないかをチェックしていきましょう。
現場を知らない

自部門の作業環境や業務フローを知らない上司は無能確定です。
なにか現場でトラブルが起きても、何をして良いかわからないし、誰に相談するべきなのかもわかりません。
また、現場を知らないので会議でも生産現場の現状を伝えられず、適当な事を言うか黙っているかのどちらかで、なにも良い方向に話が進みません。
なんとなく中途入社してきた管理職に多い傾向があり、特に年配になるほど、
「私のような年寄りがいまさら現場作業を知ったところで…、ここは若手の出番」
とよくわからない言い訳をして逃げる傾向にあります。
部下からの信頼をなくしいずれチームを崩壊させて、経営陣からも嫌われるでしょう。
指示が曖昧で不明確
納期や作業内容を理解していないと、部下への作業指示が曖昧になり現場が混乱します。
数字や詳細を確認しないまま話しを進めるので、以下のような特徴がみられますよ。
- 急ぎではない案件もとりあえず最短で作業するよう指示する
- 製番などを伝えずに「あの案件」や「例の急ぎのやつ」というざっくりしたキーワードを多用する
- 頼まれた業務に対し部下から質問されても「上手くやって」としか言わない
言語化が苦手なのか、漠然とした指示だけで部下を動かそうとするので、業務がスムーズに進みません。
また最悪の場合、事故にもつながるため周りから不信感をもたれるでしょう。
責任を部下に押し付ける

無能な管理者達は、部下へ責任を押し付ける傾向がありますね。
市場クレームや工程内不良が起きると、真っ先に現場作業者のせいにしたがり、自分が管理している職場のしくみや環境を見直すような行動を一切とりません。
作業者個人のミスと決めつけて、作業者自身に責任を持たせて当然というスタイルで接してきます。
これでは部下が精神的に追い込まれ、信頼関係が崩れてしまうでしょう。
現場改善という名の現場改悪
自分がいろいろ現場改善やっていますよと上層部にアピールしたいのか、目的がずれた生産革新活動を現場へゴリ押します。
例えば、
- なんでもトヨタ生産方式の真似をしたがる
- ミスをする度にダブルチェックやトリプルチェックの工程を増やす
- 作業性を無視して全員に立ち作業を強要させる
などが挙げられるでしょう。
生産現場に新しい作業項目や縛りを増やす一方で無駄な作業を失くすという概念がありません。
最初から手段が目的化しているので、なんの改善にもならず、むしろ工場全体を悪くさせて自己満足で終わらせますよ。
感情的のムラが激しい

機嫌が悪い時の態度が表に出やすい上司って近くにいると嫌ですよね。
ちょっと質問しただけでも、ため息つかれたり、冷たい言葉で返してきたりするので、部下が相談しづらい環境を作り上げてしまいます。
部下へのあたりがエスカレートしていくと、従業員の不満や恐怖心が膨らみ、工場内の設備や品質トラブルが生じても上司に報告しない習慣が生じるでしょう。
このような事態は、後々になって大きな問題として発覚し、組織の隠ぺい体質を作り上げてしまう最悪のケースにつながるのです。
部下の意見を無視する
現場の意見に耳を傾けない管理職は工場の従業員から嫌われます。
幹部クラスの意見にはすぐ反応するくせに、部下の相談に対しては後回しにしてなかったことにする傾向があるでしょう。
工場勤務の従業員を見下しているので、現場での知識や経験は参考にせず、自分の都合が良いやり方を押し通すのです。
真剣に仕事をしている従業員からすると、意見を無視する上司と付き合うのは本当にバカらしくなってしまいますよね。
全て自分で完結

「自分でやった方が早いから」という理由でなんでも一人でやってしまう人は管理職に向いていません。
組織としての力を最大限に引き出しているとは言えませんし、部下も育たないからです。
全て自分で仕事を完結させてしまう工場の無能な上司には次のような特徴があります。
- 教育を面倒くさがる
- 部下を信用しない
- 管理業務がわからない
- 常に工具を持って作業している
現場作業をしたがる上司からしてみれば、
「俺は座ってパソコンいじっているだけの無能な管理職ではありませんよ」
みたいに思っているかもしれませんが、周りからしてみれば、
「いつまでもプレイヤーではなくて、もっと管理者としてやるべきことがあるだろう…」
と思われてしまうでしょう。
伝書鳩
幹部から言われた内容をそのまま部下へ伝えるだけの中間管理職は嫌われます。
工場から離れている本社勤務の幹部たちは、現実的に厳しいコストダウンや納期短縮を工場へ要求してきます。
無茶難題を突き付けられても、工場の管理職が現場へ何もフィルターをかけることなく、
「上からやれと言われたので、みなさん今日からやってください」
「どうやったらできるか現場で考えてあとで報告するように」
などと指示をしてしまうダメな上司です。
現場から嫌われるのはもちろん、経営側から見ればただの連絡係なのに、役職手当だけはちゃっかり貰っているコスパの悪い社員と言えるでしょう。
若手を信用しない
管理職は部下の長所を見極める洞察力が求められます。
部下の長所を伸ばして、組織の一員として適正な業務の割り振りができない管理職は嫌われるでしょう。
毎年、新入社員の気に入らないところだけ見つけては、
「ゆとりは無能」
「Z世代は頭おかしい」
などと周囲に言い放ち、若手への不満と過去の武勇伝を語って職場を不快にさせるのです。
改善意識がない

自分で職場を良くしようとする改善意識がまったくない無能な上司です。
幹部にゴマをすりながら存在意義をアピールするタイプの管理職とは反対に、無気力で何かもう諦めちゃっている感じを常に出しています。
- 基本的に誰かがやってくれるだろうというスタイル
- スケジュールを守らない
- 理想を語るだけの社内評論家
などが特徴で、なんでこの人が管理職になったのだろうと不思議に思ってしまうレベル。
こんな上司だったら、部下の仕事に対する士気も下がってしまいますよね。
まとめ
工場内で嫌われる上司の特徴を紹介していきました。
嫌われない管理職になるのは簡単で、今まで自分たちが社内で遭遇してきた嫌な管理職の特徴を思い浮かべて、マネをしないだけです。
注意すべきポイントは、嫌われない上司を意識しすぎて、都合の良い上司を演じてしまうことですね。
よくあるのが、部下に嫌われるのを恐れて、何があっても注意をしないゆとり上司が増えると言われています。
組織を崩壊させないためにも、これから管理職となるゆとり世代の方々は組織としての成果と、より良い職場環境を築いていきましょう。
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