機械組み立てで頻繁に使う工具の代表が六角レンチです。
形状や材質、サイズの違いで使い勝手は大きく変わり、何を選べばよいか迷ってしますよね。
適切な六角レンチを選ぶことで作業効率は全然違いますよ。
本記事では工場勤務10年以上のゆとり課長が、持ち手長さ・首の長さ・先端形状・材質などの選び方のポイントと代表的な種類の使い分けをわかりやすく解説します。
新人の方も自分の作業に合った六角レンチを選べるようになりましょう!
六角レンチの選び方
「六角レンチにサイズ以外の違いなんてあるの?」
「100均で売っている六角レンチで十分でしょ!」
使用頻度が低い家庭用工具として準備するなら特に問題ありませんが、機械エンジニアの方々はそうも言ってられません。
六角レンチを選ぶときは、まず作業環境と目的を明確にすることが大事です。
ここでは、六角レンチを購入する時に最低限チェックしておきたいポイントを5つ紹介していきます。
まずは六角レンチで見るべきポイントをきちんと押さえて、違いがわかるようになりましょう。
持ち手の長さ

持ち手(長いアーム)の長さはトルクと操作性に直結しますよ。
長い持ち手は力点が大きくなり、少ない力で大きなトルクをかけられるため、固く締まったボルトの緩めや高トルク作業に向きます。
一方で長すぎると狭い場所での取り回しが難しく、持ち運びにも不便です。
また、T型やドライバー型の太いグリップは人間工学的に握りやすく、連続作業や高トルク時に疲れにくい利点があります。
作業場所が広いか狭いか、必要トルクを考慮して選びましょう。
首の長さ

L字型六角レンチには持ち手以外にも本締めする先端(首下)の長さが2種類あります。
一般的には首下が長い方を使用するため、首下が短いショートネックタイプを使う機会は少ないでしょう。
ショートネックは短い分、トルクをかけた際に軸側に力が入りづらいため使いにくいです。
ただし、首下ショートの六角レンチのメリットとして、狭い箇所でのネジ締めが可能になりますよ。
機械をいじっていると、
「ここのネジ取り外したいけど、周りの部品が邪魔で普通の六角レンチが入らいないな…」
なんてシーンは珍しくありません。
そんな時に首下ショートの六角レンチがあると、余計な分解作業等が発生しないので非常に助かりますね。
どうしても普通の六角レンチが入らない場合を考えると、ショートネックタイプも揃えておくと安心でしょう。
先端形状

六角レンチの先端形状はストレートとボールポイントの二種に分かれます。
ストレート形状は六角穴に正確にフィットし、高いトルク伝達が可能で、精密さが求められる作業に最適です。
ボールポイントは角度をつけたまま差し込めるため、アクセス角度が限られる狭所や素早い作業に向きます。
ただしボールポイントは接触面が限定されるため、最大トルクをかける作業や硬く締まったボルトには不向きで、先端摩耗も早めです。
ネジの仮止めまではボールポイントを使い、本締めはストレート形状側でやるなど用途に応じて使い分けましょう。
規格・サイズ
六角レンチを選ぶときは、ミリとインチの規格が混在している点に注意しましょう。
見た目が似ていてもわずかな差でネジをなめたり抜けが発生してしまいます。
大半は最初にミリの六角レンチを揃えると思いますが、アメリカ規格の製品、例えばバイクのハーレー等をいじる方はインチ工具を揃え直す必要がありますね。
また、ミリを選ぶときも注意が必要で、六角穴付きねじの呼び径とそれに使用する六角レンチのサイズの数字は一致しません。
六角レンチのサイズは六角面幅で表記されているからです。
例えば、M3のCAPネジを締める時は3mmではなく2.5mmの六角レンチを使います。
これを勘違いする方、たまに製造現場で見かけますね…
よくわからない方は以下の表を参考にしておきましょう。
| 六角レンチの呼び(mm) | CAPネジの呼び径 | 止めネジの呼び径 |
| 1.5 | M1.6 M2 | M3 |
| 2 | M2.5 M2.6 | M4 |
| 2.5 | M3 | M5 |
| 3 | M4 | M6 |
| 4 | M5 | M8 |
| 5 | M6 | M10 |
| 6 | M8 | M12 M14 |
| 8 | M10 | M16 M18 |
| 10 | M12 | M20 M22 |
価格
同じ六角レンチセットでも価格はピンキリで、特に工具メーカー(ブランド)によってだいぶ変わりますね。
100均で揃えられるものから、1万円以上するものも存在します。
仕事で日常的に六角レンチを使うのであれば、
- サビや腐食を防ぐために特殊な表面処理が施されている
- 締結時に適度なしなり具合がある
- 六角溝にはめたときのガタツキが少ない
等の品質が謳われている工具メーカーを選びましょう。
個人的に新人の方が六角レンチを購入するにあたりにおすすめするメーカーは、値段が高すぎずコスパが評判のTONE(トネ)です。
さらに上の人気メーカーであればKTC(京都機械工具)やPB(スイスツール)等を検討してみるといいかもしれません。
六角レンチの種類
「サイズや形状が合わずにネジをなめてしまう…」
「持ち替えが多くて作業がもたつく…」
現場においてこのような悩みをもつ新人作業者も多いのではないでしょうか
プラスドライバーと同じ基本工具であるためか、初めから六角レンチの種類なんか知っていて当然でしょみたいな雰囲気があって、教えてくれない先輩結構多いですよね。
ここからは、製造現場で使用される六角レンチの種類について代表的なものを5つ紹介していきます。
作業効率と品質を維持していくために製造現場でどんな六角レンチを揃えるべきか判断できるようになりましょう。
L字型六角レンチ

L字型は最も基本的で汎用性が高いタイプです。
短い側と長い側を使い分けることで素早い回転と高トルクの両立が可能で、軽作業から組立まで幅広く活躍します。
また軽量で携帯性に優れるため工具箱の常備品として最適と言えるでしょう。
ただし持ち手が細く力を入れにくい場合や、長時間の作業では手が疲れやすいのが欠点。
狭所でのアクセスには短い首が便利で、深い箇所には長い首の型番を選ぶと作業が楽になります。
T字型六角レンチ

T型は十字状のハンドルを持ち、手でしっかり握って大きなトルクを出せるのが特徴です。
また、持ち手の軸部分(写真の黒い部分)はくるくると回転する機構にもなっているので、ネジの早回しにも非常に有効です。
握りやすいため連続作業や強力な締め付けが必要な場面に向いていますよ。
組立のみならず、機械の分解時にも非常に重宝する工具と言えるでしょう。
ただし、ハンドルがある分だけ工具が大きくなるため、狭いスペースや複雑な周囲がある箇所では取り回しにくいことがありますね。
そのため、L字型六角レンチはとりあえずセットで購入して各サイズを揃える方が多いですが、T字型六角レンチは使用頻度の高いサイズのみを持ち運びする人が多いですね。
ドライバー型六角レンチ

ドライバー型六角レンチは軸とグリップが一体化した形で、回転効率が高く早回しが可能です。
L字型六角レンチやT字型六角レンチと違い、ビット先端から持ち手の端までがストレート形状になっているため、回す時に持ち手が締結部周辺の部品などに干渉せず、細かい作業や奥の狭い箇所へのネジ締めを可能にしてくれます。
一方、持ち手部分のグリップ部分が握りやすいとは言え、T字型レンチよりは高トルクを伝えにくいです。
装置の土台を組み上げるための大きいネジを締めるよりかは、M3以下の精密ネジを締める用途として扱われることが多いでしょう。
ソケットレンチ

ソケットレンチは六角ビットをソケットにしてラチェットハンドルで回す方式で、多数のボルトを早く回す作業に非常に適しています。
ラチェットのギアで往復動作が効率化され、狭いスペースでも素早く作業可能です。
またソケットを差し替えるだけでサイズ変更が容易なのも利点です。
組立と分解の両方で活躍できる工具ですが、ソケット形状の特性上、深い狭所や角度が必要な箇所では使いにくいため、状況によって他の六角レンチと使い分けましょう。
トルクレンチ

トルクレンチは設定したトルクで確実に締め付けができる工具で、自動車整備や機械組立など締め付けトルクが規定される作業では必須です。
六角ビットアダプタを使えば六角ボルトにも対応しますよ。
トルク過不足による部品破損や緩みを防げるため、安全性と信頼性が向上します。
校正やメンテナンスが必要で、使用前後の取り扱いが精度維持に重要となり、価格は一般工具より高めですが、出来栄え品質のばらつき抑えるための有効なツールと言えますね。
まとめ
六角レンチ選びは用途の明確化が第一で、作業場所の狭さ、必要なトルク、使用頻度を基準に持ち手長、首長、先端形状、価格を総合判断します。
家庭用ならL字型の基本セットにドライバー型を1本加えるだけで多用途に対応可能です。
自転車や家具組立など趣味用途ではボールポイントや長短セットが便利。
加えて業務用や精密作業ではトルクレンチなど信頼性重視の投資が有効となるでしょう。
用途に合わせた適切な工具選びで効率と安全性を高めましょう。




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