工場の製造部門の仕事内容について、半導体装置製造歴10年以上のゆとり課長が簡単にわかりやすく解説していきます。
製造の仕事内容
「工場勤務の製造はきつい!」
「工場の製造希望はやめとけ…」
そんなキーワードが目立つ製造職ですが、いったい普段どんな仕事をしてるのでしょうか。
ここでは、製造の仕事内容について簡単に解説していきます。
仕事内容を知って、少しでも製造の仕事に興味を持ってくれると嬉しいです。
生産
製造は原材料に手を加え、製品の形になるまで生産を進めていきます。
決められた納期までに、一定品質のものが問題なく次工程へ納められればOKです。
製造といっても、何をつくるかで工程は変わりますが、機械系の工場の場合、加工と組立があります。
それぞれどんな感じの仕事内容なのか紹介してきますね。
加工
金属の塊や原材料(母材)を、加工機を使ってあらゆる形に仕上げていきます。
加工図に表記されている寸法値や処理方法をよく確認した上で、母材の加工をしていきます。
- プレス機
- 旋盤
- NCフライス盤
などの加工機を駆使して、穴をあけや切削などを行っていきますよ。
難しい加工でも、短時間で精度よく仕上げられるようにな技能を習得すると、工場内で神扱いされるようになるでしょう。
組立
図面や作業手順書を参照し、加工品や部品を組み合わせて製品を形にしていきます。
組立と言っても、
- 六角レンチやスパナ等の工具をつかってネジ締め
- 半田ごてを利用した基板の実装
- 配線類やケーブルの取り回し
など、様々な作業要素に分かれますよ。
コツがいる調整作業や難しい組立においては、熟練した技能が必要となるでしょう。
正確かつ効率的な組立ができるよう、日々の現場改善と技能スキルアップが求められます。
検査
出来上がった製品に異常がないか検査をします。
製造工程内のいつどのタイミングでどんな検査をするかは、つくる物や工場によってまちまちです。
中間検査
仕掛品検査や工程間検査などとも言います。
ある程度組みあがった(半製品、ユニット)状態の製品に対して、組立や配線が間違っていないかの確認です。
例えば、以下のように確認方法がありますよ。
- ネジが緩んでいないかのトルク確認
- テスターを利用して配線の導通チェック
特に、最終形態で隠れてしまうような箇所は要チェック。
また、誤配線に気が付かないまま装置にいきなり電源を入れてしまうと、一撃で装置が焼けてしまう恐れもあるため、見れる部分は事前によく確認しておきましょう。
出荷検査
できあがった製品が、出荷できる仕様を満たした品質であるか最終段階の検査になります。
外観に異常はないか、仕様範囲内の条件で正常な動作を維持できるかなど見ていきますよ。
検査手順に沿って、各検査項目をクリアしたら検査表にチェック。
なにか気になるようなことがあれば、すぐに現場リーダーへ報告。
品質保証するための最終工程なので、めちゃくちゃ重要なポジションです。
製造の向き不向き
製品の組立から検査まで任せられると、いかにも工場勤務って感じがしますよね。
工場勤務の中でも製造部門は人気である一方で、
「製造の仕事って興味はあるけど、実際やってみるとやっぱりきついのかな…?」
など、このように思う方も多いのではないでしょうか。
ここからは、製造職に向いている人・向いていない人の特徴について5つ紹介していきます。
どんな人が製造業に向いているのか、自分に適正であるかどうか、判断できるようになりましょう。
適度な体力
事務職のようなデスクワークと違い、立ち歩いたり、重たいものを持ったりするシーンが多いため、体を動かすことに抵抗がない方が向いています。
一方で、
- 階段上るのがやっと
- ひどい腰痛
- 立ったりしゃがんだりが容易にできない
といった方々には、厳しい職場になるかもしれません。
物を丁寧に扱える
製造は客先へ出荷する製品を直接触れながら製作していくため、出荷物に対する傷や汚れは厳禁です。
また、精密な工具や測定器、加工機も扱う機会が多いでしょう。
まずは慌てず慎重な思考で、丁寧な動きが優先されます。
清潔意識がなかったり、落ち着きがない方は品質に致命的な影響を与える他、重大な人身事故に引き起こす可能性がありますよ。
細かい部分も見える
製造の工程内における細かい加工や、小さい部品へのはんだ付け作業などは、年配の方ほど苦戦している印象です。
というのも、老眼で手元がよく見えなくなってしまい、細かい作業がちゃんとできているのか、確認できないといった現場の声をよく聞きますね。
各自で老眼鏡を用意される方もいますが、工場側も照明付きの拡大鏡を自席に設けるなどして、なるべく見やすい環境を整える必要がありますよ。
視力の影響によって細かい作業に対しストレスを感じてしまう人は向いていないと言えるでしょう。
単純作業でも飽きない
作業の難易度は、工程やつくるものによって様々です。
「ベルトコンベアーで物が流れてきて、指定された箇所のネジを締める」
といった単純作業でも、何十回かやり続けると苦痛に感じてミスをしてしまう方は結構います。
ルーティン作業に対して集中力を切らさない方は、製造(特にライン作業)に向いていると言えるでしょう。
最低限のコミュニケーション
「製造ってコミュ障でもできる仕事でしょ?」
「人と会話しない仕事だから私にもできる!」
と思われて製造を希望される方はちょっと待ってください。
確かに他の業種と比べると人との関わり少ないかもしれませんが、もちろん限度はあります。
仕事である以上、報連相ができない人は当然怒られるし、沈黙を続ける人は長続きしません。
異常が発生したときの報告や、安全確認のため従業員同士声をかけ合う場面もあるので、声を発することに強い抵抗をもっている方は苦労するでしょう。
まとめ
製造は工場内で製品を形にしていくメインの工程であるため、誰もが非常にやりがいを感じやすい部門と言えるでしょう。
工場によっては、立ちながらのライン作業であったり、作業台で細かい組立や加工を行うなど、生産体制は多種に分かれます。
集中力と技能が求められる職であり、ものづくりに対する向上心がない人にとっては「きびいしい仕事」と感じ、長続きしないケースが多いです。
製造で職を検討されている方は、まず製造の仕事内容をイメージして、自分の仕事に対する要望や性格とマッチしているかどうかを考えてみましょうね。
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