【工場では使用禁止!?】モンキーレンチの特徴と使い方

工場では使用禁止!?モンキーレンチの特徴と使い方 アイテム

一般人が「工具と言えば?」と聞かれて思い浮かべる代表格がモンキーレンチでしょう。

ところが工場勤務や整備の世界では、

「モンキーレンチはよくない」

「使用禁止にしろ」

とまで言われるケースもあります。

なぜそんな扱いを受けるのでしょうか。

正しい使い方・注意点、スパナとの違いを理解しておけば、怪我や事故を防ぎつつ、安全に作業を行えます。

モンキーレンチとは

スパナとモンキーレンチ

モンキーレンチは、スウェーデンのバーコ(Bahco)社が発明・改良した、口幅を自由に変えられるレンチです。

JISでは「モンキレンチ」と延ばさない表示をされていますが、工場界隈では「可変式レンチ」、「アジャスタブルレンチ」の総称として「モンキー」と言う方がほとんどですね。

最大の特徴は、ウォームギアを回すと下あご(ジョー)が稼働し、さまざまなサイズのボルト・ナットを締結できる点です。

スパナとの違い

「モンキーレンチとスパナの違いって何?」

ボルトやナットを締める用途は同じであるため、よく新人からこのような質問を受け付けますね。

スパナは、口のサイズが固定されたレンチで、対象ボルトにピッタリ合う寸法でそれぞれ作られています。

そのため接触面積が大きく、力が均等に伝わりやすく、「なめる」リスクが小さいのが特徴です。

一方、サイズは変えられないので、複数のサイズのスパナを揃える必要があります。

モンキーレンチは、一本で多くのサイズに対応できる代わりに、構造上どうしてもガタが出やすく、高トルクの作業にはあまり向きません。

サイズ限定の確実性重視ならスパナ、汎用性・携帯性重視ならモンキーレンチ、と覚えるとよいでしょう。

「いらない・よくない」と言われがちなモンキーレンチも、スパナとの使い分けを理解すれば、便利な一本になりますよ。

モンキーレンチの使い方

モンキーレンチの使い方

モンキーレンチの基本的な使い方を押さえれば、「なめる(角をつぶす)」トラブルを減らせます。

モンキーレンチの使い方を知る上で覚えておきたい名称は以下の2カ所です。

  • 螺旋状のネジ部をウォームギア
  • 可動する側のつかむ部分を下あご(ジョー)

では基本的な使い方を見ていきましょう。

サイズの調整

ウォームギアを回すと下あごが可動するので、ボルトやナットに合わせて口を開き、ガタが出ないよう調整ねじを回してしっかり密着させます。

下あごでボルトの面をしっかり捉えたら、緩めるもしくは締める側に力を加えていきましょう。

締結時に重要なのが、力を加える方向に対する下あごの「向き」になります。

回す方向に対して下あごが前向きで使うのが正解です。

上あご方向に力を加えてしまうと、下あごに大きな負荷が加わり破損もしくは、すべりの原因にもつながりますよ。

持ち方

持ち方は、柄の中央から根本側をしっかり握り、手首をひねり過ぎない姿勢で、ゆっくり力を加えます。

長さが足りないからといってパイプをかぶせて延長したり、ハンマーで叩いて回すのは事故や怪我の元です。

固くて回らない場合は、無理にモンキーレンチで頑張るのではなく、ソケットレンチやスパナなど別の工具を検討しましょう。

モンキーレンチの注意点

モンキーレンチの使い方の注意ポイント

モンキーレンチの注意点は、あごの向きだけではありません。

スパナなどに比べてなめやすいことと、ワークに予期せぬ傷をつけやすいことです。

口の開きが少しでも緩いと、力をかけた瞬間にナットがズルッと滑って角が丸くなり、二度としっかりつかめなくなります。

また、口幅を変えるウォームギア(調整ねじ部分)の膨らみ部分がワークと接触して、締結時に傷をつけてしまう新人作業者も見かけます。

このようなトラブルを発生させないためにも、モンキーレンチの弱点はしっかり抑えておきましょう

モンキーレンチのメンテンナス

モンキーレンチは可動部があるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。

特に外などで作業をしていると、砂や鉄粉が噛んだまま力をかけるとギアが欠けてしまい、精度が狂います。

使用後は汚れや水分を乾いた布でしっかり拭き取り、ねじ部分や可動部に少量の潤滑油を差しておくと、動きがなめらかに保てますよ。

保管は湿気の少ない場所を選び、サビや固着を防ぐことも大切です。

定期的に開閉の具合や傷の有無を確認し、安全に長く使える状態を維持しましょう。

モンキーレンチは使用禁止と言われる理由

一部の工場や整備現場で、モンキーレンチ使用禁止になる理由は、品質や安全にシビアな現場では、少しの「なめる」「ガタ」が重大な事故やトラブルにつながるからです。

実際に私も新人の頃に、硬くて緩まない配管ナットをモンキーレンチを使って外そうしたら、滑って自分の顔面に持ち手が直撃しケガをした経験があります。

使用禁止は大げさかもしれませんが、こうしたリスクを避けるためにも、ボルトのサイズに適したスパナやソケットがあれば作業者はそちらを優先とするので、モンキーレンチは事実上使用する機会が減ってしまうでしょう。

まとめ

モンキーレンチは、一本で多くのサイズに対応できる便利な工具ですが、「なめやすい」「ガタが出やすい」という弱点もあります。

そのため、向きや下あごの当て方といった基本的な使い方や注意点を守らないと、ボルト・ナットを傷めたり、思わぬ怪我や事故につながることがあります。

とは言え、モンキーレンチは便利で渋い工具です。

「モンキーレンチは使用禁止」

「よくないからいらない」

と極端に避けるのではなく、スパナとの違いと役割を理解し、適材適所で使い分けることが重要となりますよ。

正しい工具選びと正しい使い方を身につけて、安全で効率のよい作業を心がけましょう。

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