工数入力は意味ない・面倒と感じる瞬間と解決策4選

工数管理しんどい ノウハウ

みなさんの職場で工数管理はちゃんと上手くできていますか?

日々の作業工数を入力する側の立場からするとめんどくさいですよね。

そんな手間をかけて日々蓄積される実績工数データを、管理者の方々は上手く活用できているのでしょうか…

私の職場の工数管理は数年前までクソゲー状態でしたがなんとかもちこたえました。

今回は工数管理においてよく聞く失敗あるあるを紹介すると共に、どのようなポイントを見直すべきなのを私の経験をもとに解説していきます。

本記事を読んで、入力する側の作業者、データを監視する側の管理者どちらもやって意味のある工数管理を実現していきましょう!

工数管理でありがちな失敗ケース

「意味ない工数管理ってどんな時?」

「私の職場はちゃんとできてるよね…」

無駄な工数管理は、さっさとやめてしまいたいですよね。

私の職場もそうでしたが、毎日忙しいと言っているチームリーダーほど、工数の話をしてこない傾向にあります。

まずは、慌ただしい状況が変わらいない職場工数管理あるあるを5つ紹介していきます。

あてはまったら、今のやり方に見直しが必要ですよ。

なんとく実績工数を集計しているだけ

「前任者から引き継いだだけだから」

「上司から毎月の実績工数を集計しろって言われているから」

作業者には工程ごとに毎回かかった時間を残すよう指示しているが、とりあえず実績工数のデータを月次ごとに集計するだで満足していませんか?

「今月はここの工程でトータル何時間かかりました、以上」

あなたが工場長なら「だから何?」って感じですよね。

一番最悪なのが、集計もせずに記録した紙や端末入力した生データがそのまま放置されるケース。

このような現状でちゃんと製造現場の管理できているとは言えませんよね。

標準工数と実績工数が全然合わない

工数管理は重要だと思って分析しようとしても、比較するデータの数字がブレていると先に進みません。

例えば、特定作業の工数を見ても

  • チームや人によって実績工数がバラバラ
  • 日によって時間差が激しい
  • 計算式が間違っている?
  • そもそも基準値としている標準時間がおかしいのでは?

などと結果が思い通りの数字とかけ離れてしまうケース。

こうなると、分析以前にいろいろ要因がありすぎて、何を信用して良いのかわからないです。

業務改善につなげられない

工数データを分析して、グラフとかそれっぽい資料は毎月作っているけど、それに対して職場を良くしようとするアプローチができないのはもったいないです。

せっかく手間ひまかけてデータを算出しているのですから、

「この工程の時間が無駄だから治具をつくって改善しよう」

「一部の人だけに作業量偏っているからもっと他の人に分散させよう」

「この人ちょっと作業が遅い傾向あるから、フォローが必要かな?」

など、いろいろ分析結果から読み取れる現場の課題はあるはず…

それなのに、結果「特になし」という報告はやはり寂しいです。

計画通りに進まない

工数管理できると生産計画などの見積もりがしやすくなります。

それなのに、作業者不足や現状の生産設備の稼働状況からして1日の生産台数に無理があるといった要因で納期が遅れてしまう職場は、工数管理できているとは言えませんよね。

工程内における思いがけないトラブル要因は別として、

「工数管理できていれば前もってわかっていたことでしょ!」

といったことがあると、生産管理やら製造リーダーなどは管理責任を問われるでしょう。

実績工数のデータが抜けている

月次で工数データを集計していると、生産台数に対して明らかに実績工数が少なすぎるケース。

例えば、工数集計している最中に、

「いや、この作業たった10分で終わるわけないやろ」

そう思って、直接作業者に聞きに行くと、

「そうですね、10分はおかしいです。実績工数の記入漏れですかね…」

というやりとりが管理者と作業者間で日常茶飯事になっていませんか?

数件ならまだしも、これが続くとデータの精度は大幅に落ちてくるので注意です。

工数入力する側が意味ない・面倒と感じる理由

面倒と感じる男性

会社側からすれば、工数管理を取り入れるにあたり特にデメリットはありません。

しかし、実際に実績工数のデータを入力する側からすると、けっこう負担となる作業ですよね。

会社の幹部:「かかった時間を記録するくらい大した作業ではないだろう」

作業者:「じゃあやってみろよ、かなり面倒だぞ」

というように管理者と作業者間でギャップが生じてしまうと、いつまでも失敗から抜け出せません。

そこで、ここからはどんな時に工数入力する側が意味ない・面倒と感じるのか、現場作業者目線で4つ理由を挙げていきます

現場の人目線で物事を考えて、不満や不安を解消するのが非常に大切なので、チェックしていきましょう。

評価につながらない

日報や作業表などに実績工数を記録することで、作業者にどんなメリットがあるのでしょうか…

工数入力は現場改善のためだとか言いながらも、目に見える成果や各々の業務評価につながらないと、正直萎えます。

「今まで入力し続けているけどなんか変わった?」

などと、ただ無駄で面倒な仕事をさせられていると感じでしまうでしょう。

細かすぎる

後で工数分析するために、細かい情報があればあるだけ良いからという理由で、やたら詳細なデータを蓄積させようとする人っていますよね。

作業区分が細かすぎると、その分実績工数を入力する回数が増加します。

一括して数分で終わる作業なのに、わざわざ段取りや組立 検査時間にそれぞれ何分費やしたかを分けて入力するなんて、かなり面倒でしょう。

打合せ時間やら清掃時間やら間接工数も、細かくとるだけとって、結局なんの役にも立たない無駄なデータで終わってるパターンもあるあるです。

他にも、

「この作業は段取りで入力すれば良いの?それとも組立時間に含めて良いの?」

などのように、作業要素に対する考え方の違いにより工数の取り方に個人差が生じやすくなりますよ。

入力に時間かかる

入力する回数が多いのも面倒ですが、入力時間が長いのもなかなかの負担です。

例えば、

  • 手書きで長い作業名を書く
  • 入力する端末までの場所が遠い
  • 時間計算や単位換算が手計算

こんなことを毎日やっていたら、本来時間をかけなければならない正味作業時間に影響がでてしまいます。

日報作成や工数入力する事務的な間接時間が長ければ長いほど、作業に集中できなくなるため、現場の作業者にとってはかなりのストレスを抱えるでしょう。

正直に書くと後々面倒

実際に作業を進めていくと、不具合が生じたり、予想以上にやりにくい箇所があったりして標準時間よりも長くなってしまうケースが当然あるでしょう。

こういった作業を改善してなくしていくことが工数管理の目的の一つなのですが、その先の考察や改善も現場に押し付ける管理者がいます。

「今月の実績工数が標準工数よりも遅い理由を考えといて!」

「どうしたらこの問題解決できるの?」

など、分析結果で挙がった課題を作業者へそのまま返す丸投げ状態が続けば、工数入力する側も正直に記録を残さなくなります。

自分で自分の首を絞めるようなしくみだとやる意味ないですよね。

工数管理が上手くいかない時に見直すポイント

分析結果を報告する男性

ここまで作業者が工数入力する意味ない・面倒と感じる理由を紹介してきました。

工数入力する側の負担がわかっていただけたでしょうか?

工数管理するためには、入力しやすい環境の構築も必要なのです。

次に、工数管理が上手くいかない時に見直すべきポイントを4つ挙げていきます

工数管理は意味ない・面倒とならないように、一つずつ改善していきましょう。

ルールや業務フローを明確にする

「どの書式でどういった順番で工数を記録するのか」

「こういう場合の作業はどのように入力していくのか」

など、入力時のルールやフローをしっかり固めていきます。

それがないと、しばらくして書き方がまちまちになったり、工数を入力し忘れてステータスを完了する人が必ずでてきます。

立派な工数管理ツールを導入したのに、ぐだぐだな運用のままだともったいないですからね。

迷走しないためにも、作業者にまず何を入力してもらって、そのあと入力したデータと誰だどこで管理していくのか組織内で決めておきましょう。

目的を明確にする

「他所の会社もやってるから工数をとろう」

ではなく、自分の職場でどんな目的があって、そのためにはどんな情報が欲しいのか目的をはっきりさせましょう。

これがブレるとただやみくもに意味ない工数データを大量に蓄積され、データの管理費と作業者の入力時間を増加させるだけになります。

ついついあれもこれも集計してみたいと、工数管理の会議の場で盛り上がってしまいがちですが、結局管理者が結果に繋げられないうちは、作業者に負荷がかからないよう最低限の入力に抑えるべきです。

作業者と情報共有

工数データをどのように分析し改善していくのか、工数管理した結果、どんなことがわかったのかを作業者と情報共有の場が大切です。

作業者が入力したデータがどのように活用されているのか、作業者自身が知ることで、

「実績工数ってこういうことに役立つのか」

「自分らの職場は今こういう状況なんだ」

など、入力意義を再認識でき、工数管理はめんどくさいという意識が改善されるでしょう

入力の簡易化

入力する頻度が高いほど、工数入力方法の簡易化が大切です。

例えば、

  • 手入力から電子コードを読み込む
  • その場で入力できるツールを各作業者に用意する
  • 余計な項目は全て削除
  • 計算は全て自動

などを検討しましょう。

入力に対して1秒や1クリックの手間を削減するだけでも、だいぶやりやすさは変わります。

入力時間のみならず、入力漏れや計算ミスもシステム的に阻止できるツール開発が重要ですよ。

まとめ

作業時間を記録してデータ集計することが工数管理ではありません。

目的を見失ったままなんとなく実績工数を入力し続けているだけでは、現場を良くするどころか作業者の負担しか残りませんよ。

「私たちの職場って何のために工数管理しているのかな?」

と疑問を感じたら、今一度チーム内で目的を共有し、入力方法や運用を見直してみましょう。

工数入力で得られた数値を正しく活用し、現場に成果をもたらす管理者になれるよう真剣になって取り組んでくださいね!

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