「やばい、今日小集団活動の会議あるのに改善テーマ考えてないや…」
「もうネタ切れで何もテーマが思い浮かばない!」
工場勤務において改善活動は付きもので、小集団活動なんかは定期的に何回もやっていると、ネタ切れになってしまいますよね。
まずは、テーマが決まらないと先に進まないので、さっさと決めてしまいたいところです。
本記事では製造業や工場でよく見る小集団活動の改善テーマをいくつか紹介していきます。
「報告会まで時間がないからとにかく急ぎでテーマを決めなければ!」
という方、ぜひ参考にしていきましょう。
改善活動におけるネタ10選
「何も進んでいないけど自分のチーム大丈夫かな…」
「私リーダーなんだけど何も報告するネタがない…」
結論から言うとQCサークルの成果報告なんて盛って話せばいいだけなので、一日あればどうにでもなります。
ただし、本当に自分たち現場のためになっているかどうかは別です。
本来ならQCストーリーに沿って進めていくのですが、実際は後付けの茶番劇にするチームがほとんど。
であれば最初から作り話にする前提で進めた方が、まだ簡単に終わらすことができますね。
ここでは、とりあえず報告会や会議だけを乗り切りたい人向けにおすすめする、わりと簡単でマネしやすい改善ネタを10選紹介していきます。
自分たちの現場でもマネできそうなネタが一つでもあればぜひ検討してみましょう。
現場のレイアウト変更
受注状況や人員の増減などによって、工場の生産体制は変わるでしょう。
生産体制の変化と共に、作業場のレイアウトの適応性も変わります。
現在の作業者や物の動線に適したレイアウトを意識することで、
- 物が取りやすい
- より多く物がおけるようになった
- 作業スペースが広がり安全性が増した
など、最終的に様々な結果に結びつきやすいので、改善ネタとしては割とベターな内容と言えますね。
「段取りの工数がレイアウト改善前よりも○分削減できた→年間○円のコスト削減!」
「スペースが○平米広がった→結果これが置けるようになりました」
といった数値で表現しやすいのも人気である理由の一つです。
属人化している作業工程の撤廃
属人化している作業が存在すると管理が楽な分、
- 作業者が不在時のフォローができない
- 短納期や大口対応が難しい
- 引継ぎに時間がかかる
といったデメリットが挙げられるでしょう。
作業手順書(マニュアル)を整備したり、教育計画を立てるなどのアプローチから、属人化作業の撤廃が可能です。
「チーム内で一人しかできなかった作業が○人できるようになりました」
「誰がやっても誤差○%以内で抑えられるため、安定した品質で対応できます!」
などの結果報告をよく聞きますね。
受注の見える化

誰が何をいつまでに作るのか、スケジュールは現場と事務で共有できていますか?
工場内は似たような機械がたくさん動いているので、誰か何をしているのか、ぱっと見わかりづらいですよね。
特に多品種少量生産を採用していれば、工程の複雑さが増すため、なおさら見える化が必要となるでしょう。
現場の稼働状況を示す「アンドン」や「かんばん」はトヨタを代表する改善ネタとして有名です。
よくわからない人でも、何となく工場の稼働状況が伝わるため、普段現場にいないおじちゃんや、工場見学のお客さんにウケが良い改善ネタと言えるでしょう。
治具の製作
普段から量産しているものや、組立しにくい製品ってありますよね。
部品の位置決めや作業の簡略化ができるような組立治具の製作は、ものづくりの基本ツールです。
「今まで難しい作業だったけど誰でも簡単にできるようになった」
「今回考案した治具を導入することで、一式あたり◯分の工数が削減できた」
と言った成果報告ができます。
もちろん組立工程だけでなく、検査や出荷工程にも治具は導入できますよ。
例えば、ケーブル製品の検査工程で、
「今までテスター使って一本ずつ導通チェックしていたところを、接続すればすぐ合否判断できる専用ケーブルチェッカー作りました!」
なんて取り組みもアリですね。
データの一元化
各々のチームで使っているツールやデータを一元化するIT系の改善ネタです。
工場はたくさんのデータを取扱うため、パソコン上であちこちにファイルが保管されていたり、チームごとに使用している業務アプリなどが何種類かあって管理が大変になっていきます。
ほぼ同じ情報なのに、2つ以上のファイルにそれぞれ入力するなんて、なかなか手間ですよね。
データ容量が圧迫したり、入力漏れにも繋がるでしょう。
データ入力をシンプルに一本化すれば、情報共有がしやすかったり、事務作業の引継ぎが簡単になりますよ。
リーダーがパソコン苦手でも、メンバー内でちょっと詳しい人がいれば、結構なんとかなります。
製造現場で事務工数削減ができるとその分、組立や検査といった主作業に工数をまわせるので、成果は大きいです。
ペーパーレス

製造現場で扱う紙と言えば、
- 作業日報
- 検査表
- 図面
- 出庫表
などが挙げられます。
「タブレット導入しているけど、まだ帳票類残っているな」
「そもそもこれ紙で運用する意味なくない?」
と感じた伝票類はありませんか?
ペーパーレスは、紙や印刷代だけでなく、PDF化や転記する事務工数もコスト削減の対象となりますよ。
昔は紙にこだわって反対する人がいましたが、今はだいぶペーパーレスが浸透しているので、年配の方でもわかりやすくウケが良いテーマと言えるでしょう。
安全面強化
工場は機械や薬品がたくさんあり、日常的に危険な作業がつきものです。
「やばい!〇ぬかも!」
「あっぶねー!!」
作業中にそんなシーンにでくわした経験がないか、メンバー内に聞いてみると結構あったりしますね。
事故未遂レベルのことをヒヤリハットと言いますが、ヒヤリハットのネタをもとに、万が一の事故がおきそうになっても防止できるようなしくみを考えてみるのも良いでしょう。
実際、事故が起きてしまっては遅いですからね。
例えば、ポカミスによって装置が暴走しても、人を巻き込まずに勝手に止まるようなしくみを取り入れるなどが挙げられますよ。
実際どんな作業に危険が隠れているのか、製造現場の作業者が一番よく知っていると思います。
そう考えると、安全対策ネタは現場で進めやすい改善テーマと言えるでしょう。
QRやバーコードの活用

検品作業や出荷業務において、英数字の文字列が並んだ伝票類を頻繁に扱う職場も多いでしょう。
これらの文字列を人の力に頼って管理していませんか?
- 機体のロット番号を手入力
- 人の目で番号が一致しているかを見比べる
などといった作業は、見間違いや入力間違いを引き起こす要因となります。
QRやバーコードをハンディターミナルで読み込む運用をするだけで、機械的な入力・照合が可能となるためヒューマンエラーを回避できる訳です。
ダブルチェックとか人を増やして確認するみたいな工程を考える前に、ぜひこちらも検討したいですよね。
梱包の見直し
組立や検査工程の改善は、製造のみならず、生産技術とか品質保証などの他部門が絡むため、なかなか先に進みにくいでしょう。
それと比較して梱包形態の改善は、自部門で解決しやすくハードルが低いと言えます。
梱包は技術的要因もそれほど必要ないため、組立・検査工程の改善でようやく得られた成果も、梱包工程の改善で簡単に同じくらいの成果が得られるかもしれません。
例えば、
- 梱包資材の見直し
- 梱包の簡易化
- 傷つきやすい部分の保護
といった観点から、コストカット・環境・品質の強化へとつなげていきますよ。
数え間違いの防止
どこの部署でも、数を数える業務はありますよね。
数を数え間違えて、次工程に影響が生じてしまったり、上司から怒られたりという経験はありませんか?
工程内で発覚すればまだマシですが、数え間違いが原因で市場に影響を与えるとクレームになってしまいますよ。
「ち、うっせーな、気を付けまーす」
「よく数を確認するように現場に言っときました!」
こんなことを繰り返すと、また再発するでしょうね。
シンプルだけどけっこう重要で、ちゃんとカウント方法のしくみができれば、ピッキングミス・ポカミス防止の成果となりますね。
高度かつトヨタがやっているような改善テーマをチャレンジする前に、シンプルな課題だけど今までなあなあに済ませていたことをまず解決させた方が、簡単だしちゃんと結果にもつながるでしょう。

まとめ
成果報告会まで時間がない小集団活動のリーダーへおすすめする、簡単ですぐできそうな改善ネタを紹介していきました。
時間がないからといってまったく嘘の報告は、現場に詳しい方がその場にいるとすぐバレてヤバいのでおすすめしません。
ネタ切れと思ったら、QCストーリーなんて意識せずにまずは、まだやっていない王道の改善テーマ一覧から真似してみましょう。
とりあえず何かやったら、あとは結果を数値に出して報告資料をつくるだけ。
結果が微妙だったら、就活の履歴書みたいに盛って話せば何とかなってしまうのです。
「こんなインチキな改善活動意味ないな」と思うのであれば、次回から本気をだしましょう。
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