【地獄の夏がやってくる!】工場の暑さ対策

工場の暑さ対策 工場勤務

日本の労働者にとって、夏の職場は地獄のシーズンと思われる方も多いのはないでしょうか。

特に炎天下の中、街中で作業する建築・土木関係の職人さんを見ると、心配になりますよね。

「工場勤務は室内だから大丈夫」

そう思って年中気温関係なしに工場で快適に働けると思ったら大間違いです。

工場内でもきちんと暑さ対策をとらないと、結果的に大きな事故を引き起こしてしまいますよ。

今回は夏の工場における暑さ対策について解説していきますが、工場の現場作業者のみならず、管理する側の人にもぜひ読んでほしい内容となっています。

本記事を読んで、真夏の工場勤務をしっかり乗り切りましょう!

暑さが及ぼす影響

「暑い環境の中、作業し続けるとどうなるの?」

「夏場の工場勤務にはどんな危険が潜んでいるの?」

工場と暑さにはどんな関係性があるのでしょうか。

暑さが及ぼす工場への影響は大きく分けて2つあります。

暑さが引き起こす影響を理解し、暑さ対策の重要性を理解していきましよう。

生産性の低下

暑い環境下で運動し続けると作業者の集中力とモチベーションが下がっていきます。

その結果、作業における判断力が鈍るため、ポカミスを発生させたり作業スピードが遅くなったりと通常シーズンよりも生産性を悪化させてしまうリスクが高いと予想されます。

「自社の工場は人ではなく、ロボットが作業しているので問題ないです」

と思うかもしれませんが、ロボットも熱がこもると調子が悪くなりやすいため、油断はできません。

作業者の体調面

真夏の暑さは作業者のフィジカル面を一気に削ります。

熱中症で倒れるリスクも当然ありますが、集中力の欠落により労災事故を引き起こす危険性もあるでしょう。

労働環境が原因で作業者が倒れた場合の責任は、当然企業側に責任が問われるのです。

「最近の新人は軟弱だな…」

「自分が現場にいたときはこの暑さを根性で耐え抜いたぞ!」

といった考えを周りに押し付けるのは、ブラック企業へ仲間入りする要因の一つとなるので注意しましょうね。

夏場の工場が暑い理由

暑そうに溶接する男性

「なんで工場内は暑いの?」

「空調効いてないの?」

工場が暑い原因って何なのでしょうか…

工場は多くの材料を取り扱うため温度管理が徹底されているイメージですが、すべてが快適で働きやすい室温になっているわけではありません。

ここからは、工場が暑くなりやすい理由について5つ挙げていきます

暑い原因を知って、どんな対策が効果的であるのか考えてみましょう。

屋根や壁から伝わる太陽光

屋根や壁などが太陽光の熱を溜めやすい構造になっていると、工場内の室温は一気に上昇します。

特に鉄筋コンクリートで覆われた工場の場合、直射日光の影響をもろにくらってしまい、屋根に近ければ近いほど、モヤっとした暑さが感じられるでしょう。

また、おしゃれなガラス張りの建物も内部に日が直接入るのでめちゃくちゃ暑いです。

日中にエアコンが効いていないと、一瞬で猛暑日の体育館のようになってしまいますよ。

機械の発熱

機械の動作において熱の放出はつきものです。

装置やファークリフトなど複数の機械で囲まれた工場内部は、どうしても熱がこもりやすくなってしまいます。

大型装置の製造工程においても、動作確認やエージング試験を実施しているとモーターや電装系から発生する熱が徐々に作業者を苦しめていくことでしょう。

通気性悪い

ほこりや虫など外からの異物混入を防ぐために、製造フロアに窓がない工場がほとんどです。

ダクトがあっても、真夏のこもった熱の放出が追い付かず、暑苦しい空間で作業を強いられるケースがあります。

工場を根本的に熱がこもらないように工事をすれば良いのですが、コストも施工期間もそれなりにかかってしまうため、すぐには改良されません。

作業着

工場によっても様々ですが、安全衛生上の理由で、基本的に肌の露出はNGとする場合が多いです。

そのため、やたらとユニフォームにしばりがあります。

例えば、

  • 安全性を保つために長袖厚めの生地でできている
  • 半袖や腕まくりが禁止されている
  • 安全靴で足裏が蒸れる
  • 帽子やヘルメットをかぶる
  • クリーンルームでは全身覆われたスーツを着用

など、夏場の労働においてはなかなか厳しい条件と言えるでしょう。

省エネを考慮

ものづくりの現場は、ISO絡みでやたらと省エネに厳しく、エアコンの温度設定が決められている場合があります。

製造現場が暑いと感じてエアコンの設定温度を下げると、事務所から総務の担当者が来て、

「設定温度を勝手に変えないでください!」

と注意するのをきっかけに、製造現場と事務所の間でエアコン設定温度戦争が始まるのです。

ガスや電気などのエネルギーの消費を抑えることは大切ですが、管理者は設定温度だけではなく、現場のリアルな暑さを体感する必要があるでしょう。

対策

エアコンで快適に過ごす男性

工場が暑くなりやすい理由について解説しましたが、みなさんの工場もあてはまる部分があるのではないでしょうか。

では具体的にはどんな対策をとれば良いのでしょうか…

ここからは真夏の工場の暑さ対策について7つ紹介していきます。

工場の設備に関わるところ以外にも、個人でもできる対策も紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。

遮熱塗装や遮熱シートの導入

根本的な対策は工場の建物自体を改造するのが一番ですが、コストがかかるため工場長などの承認が必要です。

工場の屋根や壁が直射日光の熱を内部へ吸収してしまうのであれば、断熱構造で熱の侵入を最小限に抑えていきます。

遮熱塗装や遮熱シートの施工を実施すれば、日中内部の温度上昇を大幅に抑えることが可能で、作業者の健康や生産性が向上するでしょう。

冷感インナー

暑い日はなるべく重ね着せず、薄い半袖シャツ一枚で過ごしたいと考えますが、接触冷感系のインナーを下着として着用することで体温を下げる効果が期待できます。

接触冷感系のインナーは特殊な化学繊維が使われているため、地肌に触れる瞬間に冷たさを体感できますよ。

また、吸汗速乾性が高いため汗をかいてもべたつかずサラサラとした着心地で不快感を与えません。

直射日光があたる外作業においては、必須アイテムと言えるでしょう。

水分補給

暑さ対策の基本は、こまめな水分補給です。

暑い空間で作業をしていると、体の水分が奪われて脱水症状に陥るかもしれません。

また、水だけでは、体内の塩分濃度が下がり熱中症のリスクがあるため、塩分タブレットなどを用意し、適度な塩分を摂取しましょう。

休憩スペースに冷たい飲み物を保管できる冷蔵庫やクーラーボックスなどの準備ができると、作業者側も安心します。

喉が乾いたらすぐに摂取できるような環境を確保しましょうね。

スポットクーラー

スポットクーラーは扇風機のように送風するだけでなく、エアコンのように吸い込んだ外気を内部で冷却し送風するアイテムです。

エアコンと比較し冷房範囲は狭いものの、簡単に移動ができ設置場所に悩む必要がないため、使い勝手が非常に良いですね。

スポットクーラーはエアコンの風が外へ逃げやすいゲート付近の荷受け作業や、定位置で作業する従業員におすすめのアイテムと言えるでしょう。

空調服

空調服とは、衣服に小型のファンが搭載されている作業服です。

外気から取り入れた風を作業着内に送風してくれるので、移動中でも体を涼められます。

また、空調服には作業着内にこもった熱の排出効果もあるので、一般的な作業着よりも快適な作業ができますよ。

昨今の異常な猛暑日の中、外やエアコンが行き届かない場所での作業は非常に危険です。

もはや空調服は外や倉庫内を行き来する物流関係作業者の必須アイテムと言えるでしょう。

エアーガン

工場に設置されているエアーコンプレッサーにより圧縮された空気は、エアーガンにより加工品の金属粉や製品のホコリの除去などによく使用されています。

真夏の暑い日などは、エアーガンのノズルを作業着に入れてしばらく体をブローしてください

背中や足裏あたりめがけてエアーガンを放つと、内側にこもった嫌な熱が放出されて、だいぶ涼しくなりますよ。

「おい!コンプレッサーに負担かかるからやめろ!」

と上司から怒られたら、そのタイミングで扇風機やスポットクーラーの導入を訴えてみましょう。

ビニールカーテン

工場内はフォークリフトや台車が通る度にシャッターの開閉が頻繁に行われます。

場所や時間帯によって、長時間シャッターが開いたままとなり、エアコンが効いていた部屋もシャッターが開くことで一気に暑くなってしまうでしょう。

開閉が多い出入口に、のれんのようなビニールカーテンで仕切ってしまえば、空間内の冷気が逃げにくくなるので、涼しい空間を維持できますよ。

低コストで作業エリアの空調効果を高められるためおすすめです。

まとめ

工場の暑さ対策について簡単に解説していきました。

「そんなことわかってるよ!自分は大丈夫!」

と言いながら、暑さを我慢し続けた結果、いつのまにか倒れてたなんてことがないよう十分に危険性を理解してください。

また、管理する側も

「作業者が適当なタイミングで水分補給するなどして上手く乗り切ってくれるだろう」

と何もしないまま作業者を現場に放置しておくと、そのまま休憩に入らず作業し続けてしまうケースもあります。

管理者側から休憩のタイミングを知らせたり、少しでも快適に作業できる環境を提供するなどの気遣いが非常に重要です。

夏の暑さで体を崩さないようにしっかり万全の対策をとって、安全作業を心がけましょう。

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