【ピッキングミス】現品相違による誤出荷防止対策9選

ノウハウ

工場ピッキング作業時に製品を間違えて出庫してしまい、めちゃくちゃ怒られた経験ありませんか?

作業者の勘違いや見間違いなどで発生するポカミスの対策って考えると行き詰ってしまいますよね。

もちろん、ヒューマンエラーだからしょうがないよね的な言い訳は通用しません。

対策を疎かにすると再発して、最悪クレームに繋がってメーカーとしての信用を失います。

そこで今回はピッキング作業時に現品相違を発生させてしまう原因と対策について、いくつか紹介していきますよ。

本記事を読んで、現品相違によるクレーム対応、もしくはポカミス撲滅にむけた活動を任された製造社員の参考になればうれしいです。

商品誤出荷とは

商品誤出荷とは、出荷する商品に対し

  • 種類
  • 数量
  • 配送先

などを間違えてしまう現象です。

商品誤出荷は、作業者のミス(ヒューマンエラー)から発展しやすいため、よく製造業におけるポカミスあるあるとして挙げられます。

ポカミスと言っても、客先に迷惑をかけることに変わりはないので、配送や資材管理など数多くのピッキング業務に関わるチーム注意する必要があるでしょう。

現品相違の原因

ピッキング作業中のポカミスで多いのが、員数違いと現品相違です。

数え間違いは誰でもやってしまうイメージがありますが、ピッキングする現品をそもそも間違えてしまうってポカを通り越してやばいですよね…

工場勤務が長い方ならわかるかもしれませんが、現品相違は市場へ流出していないだけで、工程内では結構発生してしまうのです。

では、ピッキング作業中になぜ現品相違が発生するのでしょうか。

まずは、指示と異なる商品をピッキングしてしまう現品相違の原因について5つ紹介していきますよ。

数量間違いについては別記事でも紹介していますので、併せてチェックしておきましょう。

商品の形状が似ている

一つの商品でも

  • 材質
  • サイズ

など、わずかな違いで商品の種類が分けられているケースがあります。

商品の外観だけでピッキングしようとすると、外観がそっくりであるため、ぱっと見で見分けがつかず、現品相違を引き起こしてしまうでしょう。

目に入った商品を見つけては、

「あった!これこれ!」

と決めつけてそのまま出庫してしまうのです。

商品の名前や型式が似ている

ピッキング作業者は指示書に記載されている情報をもとに物をとりに行きます。

品名や型式名が似ていると、指示書の情報が勝手に作業者の脳内で変換されて、誤った商品を探し始めてしまいがちです。

例えば型式が

  • 112233-A
  • 112233-B
  • 113322-A

など数字や文字の羅列続くと、いつかは見間違えてしまいますよね。

また、時間に追われていると、品名型式の末尾まで読まずに最初の文字だけで判断する作業者もいるかもしれません。

このようなポカミスは、ピッキング作業に慣れ始めたタイミングで発生しやすいでしょう。

間違ったロケーションへ入庫

現品相違が発覚し、

「お前ピッキング間違えただろ!ちゃんと伝票を確認しろよ!」

「いやいや私ちゃんと伝票通り指定されたロケーションから出庫しましたよ!」

といったパターンはピッキングした商品の保管場所がそもそも違っていたことが考えられます。

保管場所が間違っていた原因として

  • 購買先のメーカーがそもそも中身を間違って納品していた
  • 荷受け後に指定の棚へ入庫できていなかった
  • キャンセルなどで戻し入れした時に間違えた

といったイレギュラーが挙げられるでしょう。

ベテラン作業者が保管場所と現品が一致していないことに気づくケースがありますが、ピッキング作業者全員に工場にある材料や製品の名前と形を全て覚えさせるのは厳しいです。

保管場所が乱雑

作業場が整理整頓できていないと、作業効率が悪くなるだけでなくミスもしやすいでしょう。

資材の保管場所が乱雑であった場合、

  • ピッキングするための片付けで作業が中断する
  • ロケーションの区別がつきにくい
  • 関係ない資材が混在する

などのポカミスを発生させる要因がいろいろでてきますよね。

現場が汚いのは何もメリットがありません。

作業ルールがない

ものを出庫する、持ってくるといった作業は一見単純であるため、作業者に教育などせず丸投げする傾向があります。

もちろん、作業手順やルールが定まっていなければミスを減らすことはできません。

作業者によってピッキング手順が違ったり、注意するポイントがまちまちだと精度がばらつくからです。

製造業として、きちんとしたマニュアルやしくみがなければ安定した生産は実現できないでしょう。

商品誤出荷の流出防止対策

ピッキング作業中に現品相違を発生させてしまう原因について紹介していきました。

ご自身の職場は大丈夫でしょうか…

どうやったら作業者が商品を間違えずにピッキングできるのか知りたいですよね。

ロボットなどのピッキング自動化以外に、ポカミス撲滅のための対策はあります。

ここからは、現品相違の流出を防ぐためにやっておきたい対策を9つ紹介していきますよ。

チェックして、商品誤出荷の対策案として検討してみましょう。

バーコード読み取り

ほとんどの物流倉庫では、人の記憶任せでピッキングするのを避けるために、ハンディーターミナルを活用しています。

指示書と保管場所の棚札にあるバーコードを照合することで、機械的な照合が可能となるためポカミス防止対策として十分な効果がありますよ。

例えば、間違った商品を選択するとエラーで警告してくれます。

工場でハンディーターミナルが使用できる環境があるのに、未使用、もしくはデータの処理目的でしか使っていないのはマジでもったいないので、一度使い方を見直しましょう。

類似品は隣同士で保管しない

部品の保管場所(ロケーション)を決めるとき、種別やサイズ順で並べた方が棚も綺麗で探しやすいですよね。

しかし、類似品を隣接させた配置にしてしまうと、

  • 万が一混在してしまった時に見分けが難しい
  • ピッキング作業者が取り間違いしやすい

といったデメリットもあります。

見分けがつきにくい製品はあえて場所を離すことによって、作業者の目視による誤った判断を抑えられるでしょう。

案内表示や注意喚起の表示

「保管場所にあるものは本当に正しいものなのだろうか…」

種類が多いと製品の荷姿やピッキング時に注意するポイントなど、いちいち覚えられませんよね。

特に入社したばかりの新人なんて無理ゲーです。

そこで、現品の写真や見るべきポイントが分かやりやすく保管場所に表示されていれば、作業判断も向上しミスの軽減が期待できます。

過去に誤出荷があった事例を作業者と共有できる環境が整えば、注意喚起にもなり再発防止にもつながるでしょう。

十分な作業スペースの確保

とにかく、決められた場所に決められた分の物しか置けないしくみ作りが重要です。

棚に入りきらない物や関係ない物を通路に置いておくと、作業効率も落ちるしミスの元となります。

イレギュラーで保管場所に置けない物は、ピッキングエリアから離れた場所に一時避難場所を設けましょう。

別のロケーションへの混入やピッキングエリアの圧迫リスクを意識してくださいね。

識別できる品番で判断する

ハンディーターミナルは必須と言われても、戻入れなど計画外作業でバーコード照合をせずに物を移動させる場面もありますよね。

製品名だけで判断すると類似品名と間違えるケースがあるため、品目コードなど、確実に特定できる番号でやりとりする習慣をつけましょう。

「自分達は大丈夫、きっと間違いないだろう」

という謎の自信がポカミスにつながりますので、面倒くさがらずに必ず確認します。

作業マニュアルの整備

対策や改善策を取り入れても、言い伝えだけで運用していけば、数か月後経過しやる人やらない人が出てきてしまいます。

「そんなルールあったけ?」

「人によって全然やり方ちがうじゃん!」

とならないためにも、ピッキング手順やルールをきちんと言語化し、標準作業として取り入れましょう。

また、作業者全体に最新の情報が共有されるようなしくみも大切です。

梱包前検品作業(ダブルチェック)

作業をした本人が行ったセルフチェックは本当に大丈夫なのでしょうか…

もしかしたら、どこか見逃していたり別視点からみるといろいろ問題が発覚するかもしれません。

不良品を流出させないためにも、ピッキングした現品が正しいかどうかの判断をピッキング者とは別の作業者が検品していきます。

しかし、次のようなデメリットもあります。

  • ダブルチェックが入ることによる業務負担
  • ダブルチェックへの過信によるピッキング者の注意力欠落

なんでもかんでもダブルチェックを導入すると、現場の負担にしかならないため、管理者は業務フローや作業者の適切な切り分けを事前に考慮しましょう。

はめ合い治具の製作

保管場所への入出庫のタイミングで確認できる、現品の実寸に合わせたはめ合い治具を設置します。

類似品が複数あり、ぱっと見区別がつかないような部品でも、治具を使えば確実に判断できるでしょう。

例えば、保管場所へ入庫する時に、

  • この枠に収ればOK
  • この長さまであればOK

など判断できるツールがあれば、間違いやすい類似品もその場で切り分けができて、現品相違の要因である入庫ミスや種別混在の対策になりますよ。

チェックの履歴を残す

誰がいつ作業をしたのか履歴が明確になれば、ミスが発生したときの原因究明がしやすくなります

また、履歴を残すことでピッキング担当者にも責任が生じるので、いい加減な作業はできなくなるでしょう。

ハンディーターミナルを使用している場合は、ピッキング作業者ごとにIDを振り分けて、ログがとれる環境にしておくと便利です。

まとめ

ピッキング作業中に発生しやすい現品相違の原因と対策について紹介してきました。

「人が作業を続ける以上、ポカミスの撲滅なんてできるわけないじゃん…」

と思うかもしれませんが、今のやり方で環境を整えておこないと、これから何も良い方向に向かっていきません。

ピッキング工程のみならず、工場の作業はしくみや基準などの最低限の土台がしっかり固まって初めて自動化が実現します。

シンプルで簡単な作業であるほどミスした時の代償は大きいので、真摯の向き合って改善していきましょう。

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