【機械エンジニア入門】センサの重要性について知ろう!

ノウハウ

FA装置メーカーに就職された新入社員の方、ロボット製作に興味のある学生の方々はこれからいろんなセンサに触れていくことでしょう。

そもそもセンサって何だか理解していますか?

ロボットはセンサの塊と言っても過言ではありません。

今回は機械エンジニアが絶対知らないといけないセンサの重要性について、半導体製造装置メーカーに勤務するゆとり課長が、超簡単にわかりやすく解説していきます。

センサの役割について理解すれば、複雑なロボットの仕組みも何となく理解できますよ!

センサとは

様々なセンサーが搭載されたスマートフォン

センサとは、自然環境や人工的に発生した様々な変化を読み取って、人間に認知しやすい信号へと変換させる部品です。

センサを使って、対象物の情報や状態を検知することをセンシングと言います。

センシングして得られた情報を可視化し、価値のあるデータや動作へとアプローチさせる一連の流れをセンシング技術とも呼んでいますよ。

ちなみに私が初めてセンサと言う言葉を認知したのは、ニンテンドー64の不朽の名作「ゴールデンアイ 007」に登場する「モーションセンサー爆弾」ですね。

プレイヤーの動きをセンシングして爆発する仕掛けが、当時のゆとり世代チルドレンにうけ、化学工場のトイレ等によく設置していました。

すみません余談です。

センサの役割

センサの役割を尋ねられた時、よく例えられるのが人の五感です。

五感とは、視覚・聴覚・臭覚・味覚・触覚であり、センシングした時これらが数値化されると、機械が人間のような判断ができたり、またはそれ以上の制御が期待できます。

例えば

  • 人間の目同様に横切ったものを検知
  • 空気や特定の成分など人間の肉眼では確認しづらい物体を検知

などの見極めが、機械的に可能となるでしょう。

センサはあらゆる産業において、安全性の向上とプロセスの自動化を実現するためには欠かせない役割をもっていますよ。

センサの種類

私たちの身のまわりには様々なセンサが使用されています。

  • 家電製品
  • 乗り物
  • 公共施設

などいろんな場面で活用されており、使われるセンサの種類は数知れず…

使用されるセンサは目的や用途によってそれぞれ異なり種類が豊富ですが、大きく分けて物理センサと化学センサの2つに分けられますよ

物理式センサ

音センサーが搭載された基板

物理センサとは、力・電気・磁気・音声など様々な物理現象を機械的に計測できるセンサの種類です。

人間の五感でいうと、視覚・聴覚・触覚にあたるものが物理センサによって計測できます。

物理センサに括られる代表的なセンサを紹介していきますね。

光電センサ

光電センサは、光を遮断(遮光)することで物体の有無や表面状態の変化を見るセンサです。

投光部から放たれた光を受光部側がキャッチした光量によって判断する仕組みとなっています。

光電センサは、人間の目同様に物体の検出をできるため幅広く使用されていますよ。

FA装置の使用例としてはセーフティライトカーテンなどが挙げられるでしょう。

音センサ

音の振動から波長や周波数を拾って音の大きさや高さを判定します。

音の検出を行うセンサは一般的にマイクロホンとも呼ばれていますよ。

使用例としては

  • ターニングベルトの張力計測
  • 声に反応するロボット
  • 装置の異音を聞き分ける

などが挙げれら、人間で言う耳の役割を果たすでしょう。

温度センサ

温度センサは、物体や空間の温度を計測するセンサです。

エアコンなど一般家電にもたくさん使われていますが、

  • 機械の異常温度を監視
  • 食品や食材の適正温度維持

など工場にとっても非常に馴染みがあり、扱う機会は多いでしょう。

温度をセンシングするしくみは温度センサの種類によって大きく異なります。

例えば、金属の電気抵抗値が温度によって変わる特性を利用した測温抵抗体式であれば、観測ポイントの電気抵抗値を読み取ることで温度表示へ変換することが可能となりますよ。

圧力センサ

別名、圧力変換器とも呼ばれています。

液体や空気などの流体の圧力を検知して、電気量へと変換するしくみです。

タイヤ空気圧監視システムなど、機械の安全性を高める部分によく使われるセンサです。

化学式センサ

科学量を分析している風景

化学センサとは、pH・物質成分・濃度・毒性などの化学量を機械的に計測するセンサの種類です。

人の五感で言う、臭覚・味覚に関する判断を機械が実施します。

化学センサの場合、物体に含まれている何千何万の膨大な化学物質の中から種類の特定や濃度の測定し、電気信号へと変換するので物理センサよりも複雑な仕組みと言えるでしょう。

まだまだ未知の技術でもあり、様々な日本の企業や先生らが力を入れていますよ。

代表例として味覚センサなどがありますが、一般普及してるのは化学センサは以下の2つが挙げられます。

ガスセンサ

ガスセンサは化学センサの中で最も身近な存在です。

気体成分の化学的効果を電気信号に変換しガス濃度を測定できため、一般家庭に置いてあるガス警報器に応用されています。

五感のうち鼻(臭覚)の役割があるので、

「なんかこの辺ガス臭いな」

といった場面でもがしっかりガスセンサが反応しアラームを挙げ、未然に事故を防いでくれるでしょう。

バイオセンサ

バイオセンサとは、抗体や酵素などの生体分子を測定したい物質を認識する素子として使い、何がどれくらい含まれているかという情報を電気信号として変換します。

企業では食品分析や環境調査で使われますが、血糖値センサが一番イメージしやすいのではないでしょうか。

糖尿患者が食事前によく針を刺して採血し、血糖値を測定してますよね。

最近は採血せずとも指先に触れるだけで汗中のグルコースを測定できるセンサも開発されたようですが、これらもバイオセンサの一部なのです。

ここまでくると、人間の五感で感じ取れない領域も化学センサでは拾えるので、めちゃくちゃ優秀なセンサと言えるでしょう。

製造業においてなぜ重要なのか

モノのインターネット

近年のものづくりでセンサが重要視されている理由について考えた結果、以下の2つを挙げてみました。

  • 災害や事故の発生を未然に防ぐ
  • 自動化を推進して職人たちの人手不足から脱却

これから日本メーカーがものづくりで世界と戦っていくには、IoT化やDX推進とったデジタル技術を駆使した製造が必須とされています。

デジタル技術が普及するということはつまり、今後も使用するセンサの数が爆発的に増えるということになるでしょう。

SF映画のようにいろんなセンサが組み込まれたロボットや無人環境によって、センサをたくさん積んだ新たな製品が生産される光景を見れるのは近いかもしれません。

まとめ

センサは対象物の情報や状態を検知することをセンシングすることで、人間の五感同様もしくはそれ以上の判断を電気信号としてロボットへ送る役割をがあります。

センサは大きく分けて物理センサと化学センサの2つあり、それぞれ様々な種類のセンサがあらゆる製品に組み込まれています。

化学センサの構造は物理センサより複雑でまだまだ課題がありますが、化学センサが発展すれば将来、人間の五感以上の感覚を備えて自分の意思で判断するちょっと怖いロボットが誕生するかもしれません。

日本のセンサ企業は超優秀であり、これらのセンシング技術は、今後の工場に求められるスマートファクトリーを実現するための鍵となっていくでしょう。

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