製造業のみなさん、5S活動大好きですよね?
特に工場勤務となればより一層5S活動を強いられるでしょう。
5Sは仕事の基本であるため、どの職場にも共通して取り組める万能性を秘めています。
そのためには、まず5Sとは何か目的からきちんと理解する必要がありますよ。
今回は製造業における5Sの目的について、工場勤務10年以上のゆとり課長が簡単に解説していきます。
本記事を読んで、ものづくりする上での姿勢や考え方が変わるきっかけになれば幸いです。
5Sとは

5Sとは
- 整理(セイリ)
- 整頓(セイトン)
- 清掃(セイソウ)
- 清潔(セイケツ)
- 躾(シツケ)
以上5つの要素にあるそれぞれの頭文字「S」をとった取り組みを表します。
日本が誇る世界のトヨタ工場がこれら5Sに着目し、職場環境の改善を進めたことで、製造業界に浸透しました。
5Sという言葉を初めて聞くと、とてもシンプルで当たり前の考え方だと思ってしまいますよね。
まずは、5Sの要素別にどんな意味が込められているかを深堀していきますよ。
それぞれ要素別に意味を理解していくと、5S意識が少しずつ芽生えていくでしょう。
整理

5S活動を行う上で、まず初めに取り組むべき要素は整理です。
整理とは、いる物いらない物に分けて、いらない物は即刻処分をする考えになります。
「後で使うかもしれない」と残しておいたものは、きちんと有効活用されているでしょうか。
工場で保管するスペースにも限りがありますよ。
ただスペースを圧迫するだけでなく、無駄な管理費用がかかってしまうため、現場リーダーは不動品の見極めが重要となるでしょう。
整頓

整頓は、いる物を使いやすいように、ムリ・ムダ・ムラ(3M)のない置き場所を考えることです。
製造現場で必要な工具や部品類はきちんと取りやすいように保管されているでしょうか。
どんな並べ方、置き方にすれば美しく安全で合理的なのかよく考えてみましょう。
不要なものを選別し、合理的に配列させる整理整頓の段階までが2Sとなります。
清掃

清掃とは、身の回りを綺麗に掃除したり、点検をすることです。
「整理整頓(2S)さえできていれば・・・」
と思うところですが、物自体が壊れていたり汚いと、自然と人は整理整頓しようとする気が失せます。
特に工具など製造現場で使用する物は、機械油であったりホコリなどが溜まりやすいでしょう。
定期的に汚れを除去したり、メンテナンスをしていきましょうね。
ここまでの3Sが常にできてれば、上司や安全衛星委員の見回りでも指摘は受けにくいでしょうね。
そう、「常にできていれば」ですよ…
清潔

清潔は、整理・整頓・清潔の状態を維持できる環境を整えることです。
「正しい状態がどんな状態なのか」を誰が見ても一目でわかりやすくします。
例えば、
- 床や作業台の色を白ベースにして、わざと汚れを目立たせる
- 棚へ収納されたファイル順に番号を明記したり種別ごとに色分けする
といったように、パッと見て異常が検知できるしくみになっていれば、使う人は自然と元の状態へ戻すでしょう。
躾

躾とは、職場の人間に自発的な整理・整頓・清掃・清潔の4S活動を習慣づけさせることです。
特定の人だけでルールを把握していも、他と情報共有できていなれけばすぐに崩れてしまします。
これまでの要素を一人一人が理解し、自らチェックして、自ら直すことでようやく習慣化されるでしょう。
写真やイラストなどをつかって、全員でルールをしっかり守っていきましょうね。
5Sの目的
そもそも5Sの目的とは何なのでしょうか…。
「職場を綺麗にするなんて当たり前だし、目的と言われても…」
実は、工場勤務だからこそ理解するべき5Sの目的があるのです。
ここからは5Sを行う目的を3つ紹介していきます。
この3つを理解すれば、最終的に会社や従業員、株主に利益が生み出されるようになりますよ。
安全面の確保
物が乱雑に置かれた環境下での作業は、事故を起こすリスクが高まります。
例えば、通路にまたがった配線類に気が付かず、足を引っかけて転倒してしまったなんてケースが挙げられるでしょう。
また、毎日機械周辺のチェックやメンテナンスを行うことで、機械トラブルを早期に改修できます。
製造現場に潜む労働災害発生要因を事前に対処できるので、皆さんが安心安全作業ができる環境になりますよ。
作業の効率化
「あの部品どこいった?」
「さっき使ってた工具どこにしまったの?」
このようなことが、製造現場で積み重なると、「物を探す」という誰の特にもならないマイナス工数が発生してしまいます。
誰でも見つけられやすく、使いやすい位置で管理できれば、作業もスムーズに行えて生産性が向上するでしょう。
従業員のモラル向上

汚い職場で作業をしているとストレスが生じてヒューマンエラーを引き起こす可能性があります。
「室内で悪臭がする」
「余計なものがごちゃごちゃしていてスムーズに作業できない」
このような環境で従業員に仕事をさせても、良い品質のモノづくりは難しいでしょう。
従業員一人ひとりの作業環境の整備への意識を高められれば、気持ちの良い仕事ができて、モチベーションも向上するのです。
まとめ
5Sについて簡単に説明していきました。
5Sについて深堀していくときりがないので、とりあえず「整理・整頓・清掃・清潔・躾」の意味と5Sの目的が分かればOKです。
5Sは従業員全員が取り組んで初めて効果が得られます。
現場の改善につなげて気持ちの良いモノづくりができるようにしていきましょう!
コメント