左利きの方で、将来ものづくりの職人や工場の仕事に携わって活躍したいと考えている中、「左利きは製造業に向いていない」という言葉を聞くと、なんだか不安になってしまいますよね。
今回は「左利きは製造業に向いていないのか?」というテーマに対して、半導体装置製造歴10年以上のゆとり課長が簡単にわかりやすく解説していきます。
ちなみにゆとり課長もサウスポーなので、左利きの方は安心して記事を読んでくださいね。
左利きは製造業に向いていないと言われる理由
「左利きは製造業に向いていないってどういうこと?」
「左利きのなにがダメなのか理由を知りたい!」
スポーツの分野でサウスポーはアドバンテージがあるとして好まれていますが、一部の仕事(特にものづくりの現場)では、デメリットが多いと言われています。
なぜ、ものづくりにおいて左利きは不利と言われるのでしょうか…
左利きは製造業に向いていないと言われる理由について4つとり挙げてみました。
まずは理由を知って、現状把握していきましょう。
ほとんどの道具が右利きで考慮されいる
大半の方が右利きであるため、身の回りにある施設や道具は、右利き優先で設計されています。
自動販売機やハサミがよくとりあげられますが、製造業で使用する工具や加工機も同じです。
- ねじ締めで使用するトルクレンチやスパナ
- ボール盤や旋盤の刃を送るハンドル
- 電子機器で使用する圧着工具やワイヤーストリッパー
などが挙げられます。
道具によって左手で無理矢理使うか、おとなしく右手で使うか選択を迫られるでしょう。
物の流れが右利きで考慮されている
ライン作業などの作業現場は、スムーズに物が流れるよう、机や部品の配膳なども右利きが使いやすいような配置になっています。
左利きの場合、
- 工具や部品を一旦持ち替える
- 腕をクロスして作業する
などといった、無駄な動作が発生しやすいのです。
効率的な量産を考えると、左利きにとってはベストな配置と言えませんね。
事故率が高い説
左利きは右利きと比較して、事故の発生率が高いという説があったりなかったり…
原因は脳科学的なところから、右手用の道具が使い難いからなど、諸説あります。
根拠がよく分かっていないようですが、世間的に結構認知されている説なので、「左利き=危ない」みたいな雰囲気になってます。
左利きに対する負のイメージ
今は昔、「事故率が高い説」のように、左利きはあまり良くない的な風潮がありました。
- 左手で箸を持つのは行儀悪い
- 隣に座ると肘がぶつかる
- 見てる側が違和感あって落ち着かない
などがあるあるですね。
子供が右利きになるよう矯正させる親御様も普通にいました。
このような時代が当たり前だった方々からすると、左手の作業に対し違和感を感じてしまうのです。
年配の職人さんたちが多い製造業などは、そういった傾向が強いと言えるでしょう。
実際どうなのか
「左利きだと実務を任せられないのでは?」
「左利きで工場に入ったらいじめられるかも…」
などと不安に感じる方も多いのではないでしょうか…
もちろん、左利きで工場勤務されている方は普通にいるので、安心してください!
私もその一人です。
ここからは、「左利きは製造業に向いていない理由」に対し、製造職の私が実際に感じたことをそれぞれ応えていきます。
左利きで技能士を目指す方の悩みが解決できると嬉しいです。
自分で不便だと思ったことはない
現場でハサミを使っていると、よく周りから、
「ゆとり課長さんは、サウスポーなのに右利き用のハサミ使って大丈夫なんですか?」
と聞かれます。
私自身は左利きでも右利き用ハサミで普段から慣れてしまっているため、そんなに不満だと思っていません。
工具や加工機も一緒で、初めから右利き用の道具で慣れているので、そういうものだという感じで使っていますね。
以前、左利き用のニッパーとかハサミを使ってみましたが、逆に違和感がありました。
フライス盤や旋盤のハンドルは普通に右利きの方と同じように操作しますよ。
結局はどんな道具でも「慣れ」が重要なんだと思います。
左利きの従業員も普通に活躍している
私が担当している製造現場内にも左利きの作業者は数名いますが、皆さん特に問題なく業務を遂行してくれます。
ハンダや圧着作業も難なくこなしますね。
例えば、ハンダ作業なんかは左利きじゃないと手が届きにくい箇所があるので、何人か左手でハンダができる作業者がいると安心できるでしょう。
物の配置なんかも、製造社員と相談すれば、大抵やりやすい利き手方向に変えてくれますよ。
事故現場に遭遇したことはないが…
切削機械や油圧機器などで実際に起きた事故内容を聞くと、めちゃくちゃ怖いですよね。
私以外にも、普段から加工機などを扱う左利きの従業員がいますが、幸いにも大きな事故につながった経験はありません。
ただし、装置の非常停止ボタンは、何かあった時に右手ですぐ押せるよう、装置の右側についていることがほとんどです。
左利きの作業者にとっては、利き手と逆の方向なので、反射的には押しにくいかもしれません。
なので、初めて操作する装置に関しては必ず非常停止ボタンの位置を確認し、最悪のケースを考えて、頭や足などを使ってでもすぐ非常停止できるようイメージしておきましょう。
左利きに対し変に言う人は少い
実際に左利きに対してああだこうだ言ってくる人は今の時代少ないと思います。
私も新人時代に、製造部のおじいちゃん達から「ぎっちょ君」とか言われてましたが、昔のように工具を右手で矯正させらたなどの経験はありません。
工具の使い方を初めて教わる時は、まず右手でやってみましょう。
私の場合、大体の工具は左手に持ち替えすぐ応用できましたが、トルクレンチはちょっとクセがあり、何回か練習しましたね。
まとめ
左利きが製造業に向いていないと言われる主な理由は、ものづくりには欠かせない工具や治具などが右利き用で設計されているからです。
扱いに慣れてしまえば、左利きでも特に問題はありませんが、安全面においては十分に注意が必要でしょう。
左利きで活躍する製造技能士は珍しくありません。
自分の利き手に悩まず、ものづくりに興味があればぜひ製造業という分野で自信の技能を磨きましょうね!
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