工場総務の仕事内容について、半導体装置製造歴10年以上のゆとり課長が簡単にわかりやすく解説していきます。
工場総務の役割
みなさんは総務の仕事に対し、どんなイメージをお持ちでしょうか…
一部では、「雑用ばかりやらされる左遷先」と捉え、総務へ配属が決まった新入社員や異動になった中堅社員が落ち込んでしまうようです。
総務はとにかく幅広い業務が特徴であり、それに加えてどの部門にも関連しない名も無き仕事を任される場合が多いため、他部門からして見ると「雑用係」という印象が強いのかもしれません。
ましてや工場だと、「工場勤務は底辺」といったよくない風潮が未だに残っているらしく、工場の総務課はヤバい奴の集まりだと勝手に思い込む人も…
だからと言って、工場総務の仕事を決してネガティブに考える必要はありませんよ。
工場総務は自由度の高い間接業務において、工場全体のレベルをアップには欠かせない重要な役割を秘めています。
工場総務の仕事内容
「工場の総務課ってどんなことするの?」
「工場総務の役割を知りたい!」
なんでも屋と言われる総務課ですが、普段は工場でどんな業務を行っているのか気になりますよね?
ここからは工場総務の仕事について5つ簡単に紹介していきます。
仕事内容をチェックし、製造業においてどんな役割があるか理解していきましょう。
労務管理
従業員が安心して働ける環境を整える業務です。
具体的には、
- 入社退社の手続き
- 残業時間や有休申請などの勤怠管理
- 福利厚生の検討
などが挙げられるでしょう。
工場は派遣従業員なども多く、従業員の入れ替わりが頻繁に発生します。
人の入れ替わりが多いと、労務関連の事務的な手続きも増え、少々複雑になるかもしれませんね。
人事管理
従業員の採用活動や安全衛生管理などを行います。
従業員が突然退職してしまい欠員が生じると、特に製造ラインなどは生産に影響が生じるため、迅速な人員の確保が必要です。
また、人によってはどの職場に適しているのかを見極める必要があり、各配属先の上長から事前に求める能力や性格などをすり合わせして採用をすすめていきますよ。
そもそも、職場や人間関係に対する不満が理由で辞めてしまう方が現れないよう、相談にのったり、職場環境を改善するのも工場総務が窓口になるケースが多いでしょう。
教育プログラムの推進
ものづくりにおける現場力を向上させるためには、個々のスキルアップが必要不可欠です。
例えば
- 細かいはんだ付け
- 微調整が必要な精密機器の組立
- 難易度の高い加工
- パソコンで業務改善アプリの開発
といった技能は、誰でもマニュアルを見れば簡単にできるということはなく、ある程度の経験や知識が必要となるでしょう。
このようなスキルを持った従業員は製造業としてのノウハウを維持していくための重要な人材となります。
新人からベテラン従業員までのスキルマップを作成し、定期的に勉強会や外部研修などスキル向上を目的としたプログラムを考えるのも工場総務の役割となりますよ。
工場設備の管理
工場の敷地内における様々な設備の管理を担当します。
蛍光灯などの消耗品や、経年劣化による工場敷地内の備品修繕などの対応を任せられるでしょう。
従業員の安全を確保するのはもちろん、工場見学でも印象が左右されるため、
「別にみんな困ってないから、そのままでいいや」
という訳にはいかないのです。
社内イベントの企画
従業員同士の円滑なコミュニケーションを深めるために、社員旅行や忘年会といった社内イベントがあります。
会社全体での企画は本社サイドの総務や管理本部などが行ってくれますが、工場勤務の社員への告知や出欠管理は工場総務に任せられるでしょう。
最近の若手は積極的に参加してくれますが、私のようなゆとり世代は、「くだらない」「面倒くさい」などと、ドライなフリをする方もいるので、そんな方々にも少しは興味をもって参加するようアピールしなければなりません。
社内報や会社のHPにも掲載されるため、会社のイメージにも関わる重要な役割なのです。
工場総務に向いている人
ここまで、製造業における総務の仕事内容を紹介してきました。
裏方の役割が多く、業務の幅も多種多様であるため、大変そうですね…
どんな方が工場の総務に向いているのでしょうか。
ここでは、工場総務に向いている人の特徴を3つ挙げてみました。
特徴を知って総務の仕事に適正があるかないかの判断ができるようになりましょう。
コミュニケーションとれる
工場総務は、工場内の全部署と外部の来訪者とも関わりを持つ顔が広い部署です。
したがって、工場の中でもトップクラスで多くの方とコミュニケーションをとる場面がでてきます。
総務側から話しやすい環境がつくれると従業員の悩みも聞きだしやすくなり、職場に対する不満が膨らむ前から、早期改善へと繋げられるでしょう。
極度の人見知りや、相手の気持ちを考えずズバズバ発言するタイプの方にとってはきびしい仕事と言えますね。
事務作業が好き
バックオフィス業務であるため、日ごろはパソコンなどを使った事務手続き的な業務がメインとなります。
例えば、
- データ入力、集計、照合
- 社内で使う書類の作成や管理
- 電話窓口
- 印刷業務
といった業務であっても、きちんと正確に責任をもって引き受けられる方が向いているでしょう。
逆に、パソコンやオフィス機器の扱いに抵抗がある方や、エンジニアとしてものづくりの核心部分で仕事をしたい方にとってはつらい業種となるかもしれません。
こまめなスケジュール管理
総務は各担当者に与えられる業務の幅が広範囲である分、書類の提出期限や業者との立ち合い日時など、簡単には抜け出せない仕事が一日を通して重なることもしばしあります。
「スケジュール管理できる=仕事できる人」と良く聞きますが、総務は特に重要と言えますね。
手帳やアプリなどを駆使し、仕事の納期を明確に把握しながら動ける方が向いています。
総務の魅力
「工場総務に配属されたけどやりがいが見つからない…」
「事務作業ばっかでどうせつまらないでしょ?」
間接的部門あるあるですが、仕事の成果が見えにくいため、工場勤務でもなかなかモチベーションが上がらない方が多いようです。
工場総務の仕事に魅力はないのでしょうか…
ここでは、工場総務の魅力について3つ紹介していきます。
魅力を知って、工場総務の仕事に興味がもてるようになりましょう。
いろんな部署と関わりがもてる
総務の仕事は工場内ほぼ全ての部署と関わりをもつでしょう。
様々な従業員とコミュニケーションを深めることとなり、人の役に立てる実感を得やすいです。
多くの人とのつながりをもつため、工場内のどこかで成果がでた時も、何かしら関わっていれば、共に評価されやすく、関連部署とやりがいを共感できます。
業務範囲が広い
覚える仕事が多い分大変ですが、自身のスキルアップが期待できます。
- 多くの書類管理
- パソコンで書類作成
- 社員や取引先との打ち合わせ
などの経験を積んでいけば、自然とビジネスに必要な知識やスキルが身に就くでしょう。
また、業務の幅が広いため、そこで新しい発見や気づきを得るのも総務の仕事ならではと言えますね。
工場や社内情報に詳しくなる
工場内のいろんな部門と関わっていくため、他の部署では知りえない情報も総務はまとめて把握しやすいです。
各々の部署の雰囲気や人間関係をつかめていれば、事前準備や情報提供・収集もスムーズとなります。
社内事情に詳しくなっておけば、工場内でもうまく立ち回れるため、知っていて損はありませんよ。
まとめ
工場総務は工場全体の事務をつかさどり、ものづくりに携わる従業員のフォローを全面的に行います。
「雑用係」「なんでも屋」のイメージが強い理由は、工程間の業務であったり、どの部署にも関わりがないような名も無き仕事までもカバーするからです。
逆に考えると、特に仕事の役割などに縛りがなく、なんでもできる魅力的なポジションと言えます。
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