【地獄の職場!?】生産管理の仕事を簡単解説

工場勤務

工場の生産管理部門の仕事内容について、半導体装置製造歴10年以上のゆとり課長が簡単にわかりやすく解説していきます。

生産管理とは

フローチャートを作成する様子

製造業に勤めていると、「品質」や「納期」といったワードを嫌というほど耳にします。

納期を間に合わせようと現場に無茶苦茶な日程で急がせて、事故や不良が発生しては大問題ですし、一方で受注を受けてからめちゃくちゃ時間をかけて物を生産(長納期品)しても、それはそれでユーザーが納得してくれません。

そうならないためにも、生産管理は受注や在庫状況を把握しつつ、材料の調達から製造、出荷までのスケジュール管理をしていきますよ。

「この製品をいつまでに何台作る」といった情報を現場と共有し、工程内における生産をコントロールするのです。

生産管理の仕事内容

生産管理の業務を行う男性従業員

「生産管理になったらどんな業務をするの?」

「工場における生産管理の役割を知りたい!」

受注管理とか言われても、具体的にどんなことをしているのか気になりますよね。

ここでは、生産管理の仕事内容について簡単に4つ紹介していきます。

仕事内容を知って、生産管理が製造業において重要なポジションだということを理解していきましょう!

適正在庫を決める

適正在庫とは、欠品を出さない最小限の在庫数を指します。

私のようなゆとりは

「めっちゃ作って大量に在庫を作り置きしておけば安心じゃん」

と考えてしまうのですが、今の時代それはナンセンス。

なぜなら、大量に在庫を抱えると

  • 保管場所が圧迫
  • 在庫管理に負担がかかる
  • 売れないと破棄(ムダな在庫)される

などといったデメリットがたくさんあるからです。

だからとって、在庫を全く持たないと、欠品リスクが高まり、ライバル企業に先をこされてしまうでしょう。

そこで生産管理は過去の出荷実績などデータをもとにエクセルや表計算ツールでまとめて、

「来月はこのくらい在庫補充しとけば、丁度いい感じに出荷まわるよね」

といった適正在庫数を決めていきますよ。

生産計画を立てる

生産管理部門は「なにをいつまでに何台作る」の計画を立てます。

それぞれの工場が採用している生産形式によって、業務フローは異なりますが、

  • 生産に必要な台数分の部品や原材料を明確にする
  • 材料の納品日から製品が完成するまでの日程を立てる

など、生産するための事務的な準備と各工程の納期を明確にしていきますよ。

具体的な生産計画の立て方は、会社の方針や製品の売れ行きによって変わり、なにが適切な方法なのか、生産管理業務における知識や経験も必要となるでしょう。

納期回答

受注入力されてから製作を開始する受注生産方式を取り入れている場合、メーカーはお客さんに向けて「この日に出荷できます」という連絡をします。

それぞれ地方にいる営業担当者は、工場の生産状況を常に把握している訳ではないため、生産管理に都度、納期関連の問い合わせをしてくるでしょう。

営業は客先の要望に応じて、

  • 納期が縮まらないか
  • 直前になって出荷日を変更
  • 特急対応したい

といった、相談を工場側にしてくるため、生産管理が窓口となって対応するのです。

内容によって、生産管理は協力会社や加工会社に納品日を縮めてもらえないか相談したり、受注入力された案件の優先順位を変えたりしていきますよ。

工程間のフォロー

工程内での何かしらの異常が発生すると、一時的にものの流れが停滞し、当初の計画が狂ってしまう場合もあるでしょう。

例えば、材料の納品が遅れてしまったら、後工程へ連絡し、進められる部分を先に作業するよう指示したり、代替え部品で対応できないか技術と交渉したりします。

また、工程と工程の間部分の作業というのは、物が一時的に停滞しやすいです。

特に急いでる案件等は生産管理が進捗を見張り、作業者へ声かけをしたり、場合によっては自分が動いて後工程へバトンを渡すようなケースもあるでしょう。

このように、納期遅延とならないためにも、各工程間の潤滑剤的な役割もありますよ。

生産管理の魅力

現場作業者から褒められる

「生産管理の仕事って楽しいの?」

「生産管理部に配属になったら、どんなスキルが身につくのかしら…」

実際にものをつくる部署ではないので、やりがいを感じられるかちょっと不安ですよね。

ここでは、生産管理の魅力について3つ挙げてみました

魅力を知って、生産管理という仕事に興味を持ってくれるとうれしいです。

ものづくり現場の全体が見れる

生産ラインの司令塔的なポジションであるため、製品が作られていく流れ全体を見渡すことが可能です。

受入れ、材料管理、製造、配送…など、各工程と関わる機会が多く、現場従業員の方々とコミュニケーションがとりやすい部門でもあります。

また、原材料から製品が形となり、無事に客先へと発送される工程は、見ていて達成感を感じるでしょう。 

文系理系問わず活躍できる

事務から技術的な分野まで幅広い業務を行う生産管理は、文理問わず新卒採用する企業が多いです。

製品の売れ行きや経済状況などで生産計画も変わってくるため、マーケティング知識に長けた元営業の方も活躍するでしょう。

他にもエクセルや独自の生産管理システム等のツールを活用したり、製品に使用する原材料やコストといった知識も学んでいきますよ。

頼りにされる

各工程の現場とコミュニケーションをとる機会が多いため、相談にのることで周りから信頼されやすくなります。

現場から「頼りになる存在」として認められると、人事評価にもつながり、将来的に幹部候補としても有望視されるでしょう。

なんでも自分自身で動くというよりも、頭を使いながら、現場の従業員や製造リーダーなど全体を上手く動かせる方におすすめの業務です。

生産管理のきつい点

納期に追われ絶望する人

生産管理の魅力について紹介してきました。

製造業において、なかなか責任感がある重要なポジションと言えるでしょう。

しかし、「生産管理」とネット上で検索してみると、

  • つらい
  • 地獄
  • やめとけ

といったネガティブなキーワードが検索候補として挙げられています。

実際にどんなところがきついと感じてしまうのでしょうか…

ここからは、生産管理の業務がきついと感じてしまう理由を2つ簡単に紹介していきます。

生産管理への配属を希望されている方は、リアルな負の部分も把握して、よく検討してみましょうね。

部署間の板挟み

様々な部署と関わりを持つ生産管理は、現場の要望や相談窓口にありがちな板挟みのポジションになりやすいでしょう。

特に多いのが営業と製造間の納期調整における板挟みです。

営業側は「お客さんから煽られてる!早く出荷してくれ!」

製造側は「この納期はきついよ!もう残業できないよ!」

といったやりとりを生産管理が間に入って納期調整していきます。

双方の意見をまとめて生産計画と納期回答を行うため、そういったコミュニケーションが苦手な方々にとっては、地獄のような日々となってしまうでしょう。

人間関係の板挟みなんて、誰だってストレスを感じてしまいますよね…

臨機応変な対応

生産計画や納期回答をしても、客先都合で出荷日が前倒しになったり、工場長による神の一声で再度日程を詰めることがあります。

「せっかく製造現場を説得してスケジュール立てたのに…」

「またリスケ(リスケジュール)かよ!何回目だ!」

などといった、愚痴をこぼすこともしばしば…

進捗が遅れていたり、納期遅延が発生してしまうと、関連部署から攻められるのは生産管理なのです。

状況に応じて柔軟な対応を迫られるので、プレッシャーを感じやすいでしょう。

向いていない人にとっては、「やめとけ」とか「地獄」といったつらいワードを呟いてしまうでしょうね

まとめ

生産管理は、ものづくり全体の工程管理を行うため、様々な部署とのコミュニケーションと、幅広い専門スキルを活かせる非常にやりがいのある部署となります。

主に管理業務であるため直接ものをつくったりはしませんが、迅速な情報収集と適切な判断をすることで、状況が変動しても安定かつスムーズな生産が可能となるでしょう。

実際に手を動かしてバリバリ現場で活躍したいというよりかは、マネジメントや情報分析が好きな方にぜひおすすめの部署です。

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